吹雪の中、列車外へ 秋田新幹線脱線事故
秋田県大仙市で2日に発生した秋田新幹線の脱線事故。吹雪の中、車内に約6時間閉じ込められていた乗客は、疲れ切った表情で車両から降りた。
「少しお尻が浮き上がったような感じがした」。脱線した先頭車両に乗っていた60代男性は、ちょっとした衝撃を受けたという。
乗客によると、脱線直後に「異常な衝撃があったので停車して確認します」と車内アナウンスが流れた。「先頭車両が雪に乗り上げました」「脱線しました」との車内アナウンス説明もあったという。
乗客が移動のために列車を降り始めたのは、午後10時すぎ。窓からは前の座席に頭をもたれかける人の姿が見えた。車内で乾パンや飲み物は配布されたが、秋田市の男性会社員(39)は「対応が遅い」と怒りもあらわにした。
事故現場は近くに人家がほとんどない田園地帯。事故のあった先頭車両は車輪が見えないほどに雪に覆われていた。投光器が辺りを照らし出す中、乗客は作業員が雪を足で踏み固めて作った通路を通り、JR東日本が準備したバスとタクシーに移動した。
大仙市の会社役員の男性(61)は「本当に疲れました。おなかもすきました」と話した。宮城県岩沼市の公務員男性(27)は「早く帰りたいです」と足早にタクシーに乗り込んだ。
地元消防によると、乗客の移動前には、不調を訴えた乗客の1人が毛布にくるまれた状態でソリに乗せられて救急搬送される場面もあった。