ファストリ、米高級ジーンズブランド買収 250億円
カジュアル衣料店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは30日、米高級ジーンズのJブランドホールディングス(ロサンゼルス市)を買収すると発表した。買収額は約250億円。ファストリのM&A(合併・買収)は6年ぶり。ユニクロの主力商品となっているジーンズの商品開発などで相乗効果を引き出し、グループの競争力を高める。
ファストリは12月末までにJブランドHDの株式の8割を取得し、子会社にする。買収費用は手元資金で賄う方針。創業者のジェフ・ルーズ最高経営責任者(CEO)は留任する。
2005年設立のJブランドHDは自社開発したデニム素材や洗練されたデザインを強みに年40~50%のペースで売り上げを伸ばしている。11年12月期の売上高は約100億円に達し、米高級ジーンズ市場では10%のシェアを占めるという。
JブランドHDは営業利益率が26%とファストリの14%を上回り、高収益を維持するノウハウを取り込むメリットは大きいと判断した。ユニクロなどグループ企業との商品の共同開発などに生かす考えだ。
ファストリは04年以降に国内外で相次いでM&Aを実施。現在は仏肌着「プリンセス タム・タム」など4社を傘下に持つ。ただ、事業継続を断念した例も多く、連結売上高に占める4社の比率は10%程度。ユニクロに続く基幹ブランド育成が急務となっている。
世界最大のアパレル市場である米国ではユニクロの店舗数も5店にとどまり、赤字が続く。「米国では一定のステータスがある」(ジーンズメーカー首脳)Jブランドを傘下に取り込み、米国市場攻略に弾みをつける。
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