JDI株主総会、いちご追加支援を可決 604億円調達
経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は26日、都内で株主総会を開き、独立系投資顧問会社いちごアセットマネジメントからの追加出資受け入れなどの議案を可決した。いちごアセットからJDIに招かれたスコット・キャロン会長は議長として初登壇し「収益を上げないといけない」と再建への意欲を強調した。
いちごアセットからの最大604億円の追加支援受け入れに加え、社外取締役の権限が強い指名委員会等設置会社に移行するための定款の変更、新たな社外取締役の選任などを可決した。社外取締役は2人から5人に増やし、取締役全体に占める比率を71%(従来は40%)に高める。総会の出席者は89人だった。
JDIは当面の資金繰りを確保したが、新型コロナウイルス禍で事業環境は悪化している。総会では、主力のスマートフォン向け以外の製品比率を50%に高める方針を明言した。ヘルスケアなど新規分野への応用を加速するほか、知的財産の活用も進める。キャロン会長は「コストダウンだけではだめで、売り上げを上げないといけない」と強調した。JDIは2020年3月期まで6期連続で最終赤字。黒字化についてキャロン会長は「2年以内に進捗を示す」と述べた。
ただJDIは在庫の過大計上など不適切会計を繰り返し、企業統治(コーポレートガバナンス)の強化が課題となっている。株主からは「株主への責任をどう考えているか」「ガバナンスに問題はなかったのか」といった声が相次いだ。キャロン会長は「心より深くおわび申し上げる」と謝罪し、「社を挙げて再発防止に向けて全力を尽くす」などと対応に追われた。
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