消費者庁、徳島に新拠点 コロナ禍のデマも研究
東京一極集中の是正を掲げた政府の地方創生の一環として、消費者庁は30日、徳島県庁内に「新未来創造戦略本部」を新設した。新型コロナウイルス感染症の拡大期に流れたデマが消費者に与えた影響など、新しい消費者問題に対する調査、研究に取り組む。
県庁であった開設式に出席した衛藤晟一消費者行政担当相は「役所の中核機能が地方に移転することは極めて意義深い。消費者行政の拠点となることを期待したい」と述べた。
本部長は伊藤明子消費者庁長官が兼任し、同庁職員ら約60人態勢で始動する。新拠点では「トイレットペーパーがなくなる」「納豆がコロナに効く」といったデマが、購買行動に与えた影響などを調査するほか、近年増加するインターネット通販トラブルに対応するため、国外の学術機関と消費者法制の共同研究をする。
消費者庁の全面的な移転の可能性については、宮腰光寛前消費者行政担当相が19年8月、「国会対応は東京でないとできない。徳島の拠点と両方で政策立案する」と否定していた。〔共同〕