JR新宿駅に東西自由通路 改札外で行き来しやすく
JR新宿駅の東口と西口を地下で結ぶ「東西自由通路」の運用が19日から始まった。地上に出たり、地下を遠回りしたりする不便がなくなり、JR改札の外側でも東西を一気に移動できる。
新宿駅一帯は2040年代の完成を目指した大規模再開発が計画されている。駅の施設も今回の自由通路を皮切りにリニューアルされる。
自由通路は長さ約100メートルの直線で、天井や床は白が基調。19日は早速、多くの人が行き交い、撮影する鉄道ファンもいた。妻や子どもと駅を訪れた東京都町田市の会社員持田優輝さん(30)は「今までは地上をぐるっと回り込んで行き来していた。動線が分かりやすくなって助かる」と喜んだ。
JR東日本によると、自由通路ができた場所はこれまで「北通路」の名称で改札内だった。幅は約17メートルから約25メートルに拡大。東口改札は「東改札」、西口改札は「西改札」と呼び名が変わり、自由通路に面する位置に移った。自由通路開通による人出増加を見込み、待ち合わせなどで人通りが多い地上の東口駅前広場は、歩行者スペースを拡充。森山英彦駅長は「今後も駅の整備を進め、利用者や地域の不便をなくしていきたい」と語った。
新宿駅はデパートや商業ビル、地下街などが入り組んだ構造。移動には複雑なルートを通る必要があることや、バリアフリーへの配慮が乏しいと指摘されてきた。JR東や小田急電鉄などの鉄道会社、東京都、新宿区は、長期の改良工事を通じ、歩行者目線に立った街に生まれ変わらせる方針。駅の東西に高さ約260メートルのツインタワーを建設し、空中デッキでつなぐ構想も明らかになっている。
〔共同〕