アシアナ航空、新型肺炎でコスト削減策 「危機克服」
【ソウル=細川幸太郎】韓国航空2位のアシアナ航空は18日、新型コロナウイルスの感染拡大で経営危機に直面しているとして、経営幹部の報酬カットや社員の休職などのコスト削減策を発表した。当面、社長が40%、役員が30%、管理職も20%の報酬を削減。全職種を対象に10日間の無給休職も実施し、感染拡大による中国便の不振や旅行需要の低迷に対応する。
アシアナは新型肺炎の流行前と比べて足元で中国路線の運航が79%、東南アジア路線の運航が25%減っているという。同社は「会社が危機に直面しており、費用削減や収益性改善を実施し危機を克服する」と表明した。
ただ同社は新型コロナウイルスの流行以前から経営不振に陥っていた。2019年12月期の業績は日韓対立によって日本路線が振るわず、単体売上高は前年比4%減の5兆9538億ウォン(約5500億円)、最終損益は6727億ウォンの赤字(前の期は963億ウォンの赤字)と赤字幅が拡大した。1月下旬以降は中国路線のほか旅行需要全体が低迷しており、業績悪化に歯止めがかからない状態だった。
2019年4月にはアシアナ航空を中核企業とする錦湖(クムホ)産業グループが資金繰りのためにアシアナ航空株を売却することを決定。11月には韓国建設大手のHDC現代産業開発に2000億円超で売却することで合意し、現在も売却手続きを進めている。