米、対トルコ制裁を解除へ 停戦順守を要求
【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領は23日、トルコによるシリア北部での軍事作戦を受けて科していたトルコへの経済制裁を解除すると表明した。シリアでの停戦順守を求め、合意が破られれば再び制裁措置に動く可能性を示した。シリアへの米軍駐留については、石油施設の保護を名目に少数で続ける考えを示した。
北大西洋条約機構(NATO)の同盟国であるトルコとの関係の正常化を急ぐとともに、地域の安定に配慮を示した。
トランプ氏はホワイトハウスで声明を読み上げ「トルコ政府が今朝、シリアでの戦闘を停止し、停戦を恒久化すると伝えてきた。そうなると信じている」と説明した。ムニューシン財務長官に制裁解除を指示したことを明らかにした。
トランプ政権はトルコによるクルド人勢力掃討作戦を踏まえ、作戦を指揮する3閣僚と国防省など2省を制裁対象に指定していた。財務省はこの制裁を23日解除した。トランプ氏は「私たちは厳しい制裁を再び科す権利を持っている」と述べ、トルコに停戦合意の順守を要求した。
トランプ氏は周辺の関係国がトルコとシリアの国境地帯の安定に関与する必要性を改めて主張。「我々はカネのかかる米軍の関与を避けてきた。数千人もの命が損なわれるところだった」と強調し、駐留米軍の縮小の正当性を訴えた。
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