富山の2大商業施設、今秋増床 顧客争奪戦激しく
富山県内の2大商業施設が今秋、増床する。イオンモール高岡(高岡市)は店舗数を54%増の約200店とし、セガとタカラトミーが連携する世界初の子供向け娯楽施設を導入する。平和堂系のファボーレ(富山市)は180店体制にし、雑貨店「ロフト」など県内初出店の店を導入する。両施設とも商圏を広げて県全体からの集客を狙っており、顧客の奪い合いが激しくなりそうだ。
概要は17~18日に両施設の運営会社が記者会見し、発表した。増床部の開業日はイオンモール高岡が9月14日、ファボーレが10月19日といずれも土曜日に設定した。イオンモールの三嶋章男常務は「(10月の)消費増税前の駆け込み需要に間に合わせたい」と話した。
イオンモール高岡の増床棟にはセガとタカラトミーが連携した「ファンビレッジwithトミカ」が入る。工事現場風の3D(3次元)迷路スライダーなどを導入して子供の関心を引き、家族連れの集客を狙う。近接する北陸新幹線の新高岡駅の利用客を想定したフードコートも設ける。
ファボーレにはロフトに加え、輸入雑貨に強い「PLAZA」も県内で初めて出店する。周辺に家族層が多いため、ベビー用品や子供用ファッションの店も導入した。運営会社である富山フューチャー開発(富山市)の角内康彦専務は「大都市圏の商業施設は飽和状態だが、富山はまだ顧客開拓の余地がある」と増床の狙いを話す。
イオンモール高岡の開業は2002年、ファボーレは00年といずれも開業から15年以上たつ。大型の増床・改装で顧客を引き付けたい考えだ。ただ、両施設ともにスウェーデンのファストファッション「H&M」を新テナントの目玉に据えるなど、店舗構成は似た点も多い。施設の特徴をどう出すかが重要になる。