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ディズニー、配信帝国への野望 Hulu完全買収

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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

米ウォルト・ディズニーが歴史を塗り替えようとしている。4月末に公開した映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」の世界興行収入は過去最速で20億ドル(約2200億円)を突破。「アバター」を抜いて歴代首位に躍り出る可能性が出てきた。興行収入トップ5作品すべてに関わるディズニー。今後は動画配信事業との相乗効果を生み出せるかが問われる。

公開から5日間で興行収入10億ドル

「まずはアベンジャーズ/エンドゲームの驚異的な成功の話をしよう。今日までに約23億ドルの興行収入を得て、たった2週間で歴代2位につけた」。8日に開いた1~3月期決算の発表会見の冒頭、ボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)は満足そうに語った。

売上高が前年同期比3%増の149億ドル、営業利益が同10%減の38億ドルだったこの四半期の業績には直接関係しないが、今のディズニーにとってはより重要な話題だ。

傘下のマーベル・スタジオが製作した「アベンジャーズ」シリーズの完結編となる「エンドゲーム」。アイアンマンやキャプテン・アメリカといったヒーローが勢ぞろいする同作品は、公開から5日間で興行収入10億ドル、11日間で20億ドルの大台に乗せた。米国だけでなく日本や中国の映画館も多くの観客で賑わい、09年公開のアバターが記録した27億8800万ドルを超える日は近い。

実は、射程圏内に入ったアバターを配給していたのは3月下旬に買収手続きを終えた21世紀フォックスの映画部門だ。エンドゲームの絶好調な滑り出しにより、興行収入の歴代トップ5すべてにディズニーが関わる格好になった。

アイガー氏のもくろみは、これらの資産と人気コンテンツを生み出す力を駆使して、メディア産業に打ち寄せる荒波を乗り越えることだ。19年1~3月期に売上高で全体の37%を占めるテレビ放送事業の成長は横ばいだった。ネットフリックスのような動画配信サービスが浸透するなかで、今後も伸びる見込みは乏しい。米IT(情報技術)大手が主導する動画配信のうねりは映画館からも人々を遠ざけつつある。

動画配信事業を11月から開始

そこでディズニーが選んだのが、みずから動画配信事業に乗り出し、映画やテーマパークとの相乗効果を出すという戦い方だ。米国を皮切りに11月から順次、「ディズニー+(プラス)」と呼ぶサービスを始める。アイガー氏は決算会見で「エンドゲームも12月11日からディズニープラスで配信する」と明かし、新サービスの目玉のひとつにする考えを示した。

さらにディズニーは7割近くを出資する動画配信サービス「Hulu(フールー)」を完全に傘下に収める。米同業コムキャストとの間で同社が持つ3割強のHulu株を24年1月以降に58億ドルで買い取り、同社株すべてを取得する。経営権は即時に譲り受けることで14日にコムキャストと合意した。

これにより、ディズニーの動画配信は「ディズニー+」、スポーツ番組を専門に配信する「ESPN+」、テレビドラマに強い「Hulu」がそろう。配信サービスの多様化によりコンテンツの幅が広がるだけでなく、利用者は予算や好みに合わせて各種のサービスを組み合わせることができるようになる。アイガーCEOは「バンドル販売は消費者にとっても魅力になる」と述べた。

ディズニーは動画配信を「ダイレクト・トゥ・コンシューマー(消費者に直接届ける)事業」と呼び、次の柱に育てようとしている。同部門の売上高は1~3月期で10億ドル弱で利益は出ていない。コンテンツや配信インフラ整備のための投資を先行させている。

07年のHulu設立には、ディズニーとコムキャストに加えて、21世紀フォックスとタイムワーナー(現在は通信大手AT&T傘下のワーナーメディア)のメディア大手4社が参加した。

その後、ディズニーがフォックスの主力事業を買収し、AT&Tが約1割の保有株を放出したため、ディズニーの出資比率は7割に近づいていた。

ディズニーに続いて、ワーナーメディアやコムキャスト傘下のNBCユニバーサルも独自の動画配信サービスの立ち上げを準備中だ。メディア企業が各自配信サービスを立ち上げ、コンテンツの囲い込みにカジを切る中、メディア大手が共同で設立したHuluは役割を大きく変えようとしている。

映画と共食いのおそれも

もっとも、この戦略はもろ刃の剣だ。米BTIGのリチャード・グリーンフィールド氏は、ディズニーがDVDの販売や米アップルのコンテンツ配信サービス「iTunes」などを介したダウンロード販売で得てきた収益を年17億ドル程度と推計する。

同氏はディズニーが動画配信を始めれば、これらの収益は「今後5年間で劇的に落ち込むだろう」と予測する。映画の公開と動画を配信する時期などの設定をあやまれば、映画を観に行かずに動画配信を待つ人を増やして「共食い」を招く可能性もある。

19年1~3月期決算には買収完了後の11日間、売り上げにして約3億7300万ドル分だけ計上された21世紀フォックスの事業も、4月以降は全面的に加わる。映画、動画配信、テレビ放送、テーマパーク……。複雑さを増すコンテンツ帝国の舵(かじ)をどう取るのか。アイガーCEOの双肩にかかる責任は重い。

アベンジャーズは「最終戦(エンドゲーム)」を迎えたが、ディズニーの物語は新たなシリーズへと突入する。

(シリコンバレー=佐藤浩実、ニューヨーク=清水石珠実)

[日経産業新聞 2019年5月22日付]

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