ベネズエラ、ドイツ大使を国外追放 野党支持に反発
【サンパウロ=外山尚之】ベネズエラ政府は6日、在ベネズエラのドイツ大使を「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)に指定し、追放すると発表した。ドイツ政府が野党指導者のグアイド国会議長を暫定大統領と承認した上で、マドゥロ政権に対する経済制裁強化を示唆していることに反発を示した。一方、米国政府は同日、ベネズエラ政府高官ら77人の入国査証(ビザ)取り消しを発表。非難合戦が激しくなっている。
ベネズエラのアレアサ外相は声明でドイツのクライナー大使について「野党の過激主義者と謀議で連携している」と指摘し、48時間以内の退去を求めた。この措置を受け、マース独外相は「理解できない決定」と反発した。グアイド氏は同日、議会で「自由な世界に対する脅威だ」と述べ、マドゥロ政権を非難した。
独政府は2月にマドゥロ政権が人道支援物資の受け入れを拒否し、抗議した市民を弾圧したことで「マドゥロ氏を標的にした制裁に賛成する」と発表。またクライナー氏は4日にグアイド氏が帰国する際、身柄拘束を防ぐために空港まで出迎えるなど、グアイド氏を明確に支持してきた。
マドゥロ政権が強硬姿勢を貫く一方で、米国は締め付けを強化する。ペンス副大統領は6日、マドゥロ政権の高官や家族など77人のビザを取り消したと発表した。