新東名と東北道の一部、最高速120キロに 3月から
警察庁は30日、新東名高速道路と東北自動車道の一部区間で、3月1日から試験的に最高速度を120キロに引き上げると発表した。110キロで1年間試行した結果、安全性に問題がないと判断した。国内で公道の最高速度が120キロとなるのは初めて。さらに1年以上試行し、他の路線・区間に拡大するかを検討する。
試行区間は新東名の新静岡―森掛川インターチェンジ(IC)間(静岡県)約50キロと、東北道の花巻南―盛岡南IC間(岩手県)約27キロ。それぞれ2017年11~12月、最高速度を100キロから110キロに引き上げた。
同庁によると、1年間で死傷事故の件数や発生率に大きな変化は見られなかった。渋滞などを除いた追い越し車線の平均速度も110~120キロ台でほとんど変わらなかった。
一方、速度超過による摘発件数は両区間ともほぼ半減した。
大型貨物車は80キロに据え置かれているため、速度差が大きくなることによる危険が指摘されていた。ただ両県内のサービスエリアで利用者約1600人にアンケートしたところ、約8割が速度差による不安はないと回答。6割超が他路線や区間への拡大を要望したという。
道路交通法施行令で、高速道の最高速度は100キロと規定。一方で高速道の一部は120キロでの走行を想定して設計されている。こうした実態を踏まえ同庁は16年、一部区間で段階的に最高速度を引き上げ、安全性などを検証する方針を打ち出した。
警察庁によると、最高速度120キロで設計された高速道は、常磐自動車道(三郷料金所―日立南太田IC)、関越自動車道(川越―渋川伊香保IC)、名神高速道(小牧IC―養老サービスエリア)など全国13路線の19区間。