スタートアップが「完全食」ラーメン
食品スタートアップのベースフード(東京・目黒)は食事1回分に必要な栄養素を全て含んだ「完全食」ラーメンをこのほど発売した。麺単体で糖質を一般的な麺の5割減としたほか、具のない麺だけの状態でビタミンや食物繊維など国が推奨する一度の食事に必要なほぼ全ての栄養素基準を満たした。油分や糖質が多くダイエットの天敵とも言われるラーメンの位置づけが大きく変わりそうだ。
ラーメンチェーンの凪スピリッツ(東京・新宿)と共同開発した。ベースフードは2017年2月に完全食パスタを発売しており、この麺をラーメンに合うよう改良した。具体的にはこれまで多く使っていた小麦胚芽の代わりに大豆や米ぬかを使い食感を改善。ずるりとすすれるようにし、汁につけていても切れないようにするなどの工夫を加え、栄養素はそのままにラーメンらしさを実現した。汁も塩分を抑え麺の味に合うようにした。
記者も実際食べてみた。スープは意外にも塩味がしっかりときき煮干しの風味が鼻を抜ける。麺は「つるり」という食感はないが、ずずっとすすれてスープとよく絡みおいしい。ラーメンとそばの中間といった感じで腹持ちも良さそうだ。
凪の店舗で完全食ラーメンを食べた人からは「思っていたよりおいしい」(30代男性)、「栄養に配慮しているのがいい」(40代男性)などの声が上がった。1杯1080円で価格の高さを指摘する声もあるがそこは栄養価との見合いとなりそうだ。
ベースフードの橋本舜社長は「ラーメンを食べるのに罪悪感なくむしろ日々足りていない栄養素を補給する食事として広まれば」と期待する。完全食ラーメンは首都圏を中心に10店舗を展開するラーメン凪での店頭販売と、通信販売の2経路で販売する。通販価格はスープとセットの2食分で980円。すでに発売後3日目となる12日午前10時時点での販売数は4000食にのぼり販売好調だ。パスタは発売以降30万食以上を売り上げるヒット商品となっており、ラーメンも同様規模の販売を目指す考えだ。
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