インドネシア運輸省、墜落事故受け同型機の点検命令
ライオン航空に特別監査
【ヌサドゥア(バリ島)=鈴木淳】インドネシアでジャカルタ発パンカルピナン行きのライオン航空610便(ボーイング737MAX8型機、乗員・乗客189人)が墜落した事故で、インドネシア運輸省は30日、同国の航空会社に対し同型機の臨時点検を命令した。
同省は30日からライオン航空に対する特別監査も開始し、管理体制に不備がなかったか調べる。
ボーイング737MAX8型機は2017年に運航が始まった新型機で、ロイター通信によると人命に関わる重大な事故が起きたのは初めてという。
運輸省によると、同国ではライオン航空が10機、国営ガルーダ・インドネシア航空が1機を保有。点検で一部の便に運休や遅れが出る可能性もある。
インドネシア国家捜索救助庁は30日も墜落現場付近の海域の捜索を続けた。610便は墜落時に時速600キロメートル以上の速度で海に突入したもようで、捜索範囲を広げて機体を捜している。事故原因究明のためブラックボックスの回収を目指しているが、捜索は難航している。
610便は29日午前6時20分(日本時間午前8時20分)にジャカルタ郊外のスカルノ・ハッタ空港を離陸し、13分後の午前6時33分ごろ墜落した。同庁は乗員乗客189人の「生存の可能性は低い」としている。