有効求人倍率1.64倍 9月、正社員は過去最高
厚生労働省が30日発表した9月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.01ポイント上昇し1.64倍となった。1974年1月(1.64倍)以来の高水準で、人手不足感が強い状況が続いている。今まで働いていなかった人の就労も進み、総務省が同日発表した9月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント改善し2.3%だった。
有効求人倍率は仕事を探す人1人に対し、企業から何件の求人があるかを示す。1.6倍台となるのは5カ月連続。正社員の有効求人倍率(季節調整値)は1.14倍で過去最高となった。
新規求職者数は前年同月から14.9%減り35万2638人だった。就労が進み、新たに仕事を探す人が減少した。
企業も求人を減らしている。新規求人数は同6.6%減少の93万1362人だった。北海道胆振東部地震の影響で訪日客数が落ち込んだことなどから、採用を控える動きが出たとみられる。
9月の完全失業率は2.3%で2カ月連続で改善した。15~64歳の男女の就業者の比率は前月から0.3ポイント上昇し77.3%。女性の就業率は70.3%で、いずれも過去最高を更新した。
人口が減る一方、働く人の数は増えている。就業者数は6715万人と過去最多を更新した。高齢者や主婦などで働く人が増えた。完全失業者の数は162万人と前年同月から28万人減少。会社都合や自発的な離職が減っているとみられる。