能登空港の利用最高 開港15年目、石川県に12年ぶり協力金
能登空港の利用が高水準で推移している。石川県によると開港15年目(2017年7月7日~18年7月6日)の旅客数は16万2684人(速報値)と前年度比3%強増えた。増加は4年連続で、03年の開港以来最高となった。冬の観光ツアーのテコ入れ効果に加え、昨秋に石川県珠洲市で奥能登国際芸術祭を開催したことなどが旅客増につながった。
同空港は全日本空輸が羽田便を1日2往復運航している。提供座席数に対する搭乗率は69.1%と前年度を3.5ポイント上回り、開港初年度の79.5%に次ぐ水準だ。同空港は搭乗率保証制度を採用。目標搭乗率を62%に定めた開港4年目以降で最も高い水準となる。
例年、観光客が減る冬場の利用が堅調だったことが一因だ。輪島産のフグなど地元の食を組み入れた観光ツアーが人気で、首都圏からの利用客が増えた。昨年9~10月には珠洲市で奥能登国際芸術祭を開催し、古民家や廃校を生かした現代アートを展示。目標を上回る動員があり、旅客数の押し上げに寄与したとみられている。
能登空港は搭乗率が66%を上回ると、達成した搭乗率に応じて石川県が全日空側から協力金を受け取る仕組みになっている。今回の協力金の規模は2100万円程度となる見込みで、県の外郭団体を通して空港の利用促進に充当される。協力金の発生は12年ぶりとなる。
今年は能登立国1300年の節目にあたり、神社仏閣の特別拝観を各地で実施するなど地域を挙げた観光誘客に取り組んでいる。石川県空港企画課は「祭礼シーズンの夏の誘客効果が16年目の数字にどう出るか注目したい」としている。
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