「QBハウス」が東証1部上場 国内店舗数2~3倍に
ヘアカット専門店「QBハウス」を運営するキュービーネットホールディングスが23日、東京証券取引所第1部に上場した。消費者の節約・時短ニーズに応え、業績を拡大。上場を機に出店を加速し、国内店舗数を2~3倍に増やす計画を掲げる。ただ23日の上場初値は公開価格を6%下回る低調なスタート。成長余地について投資家への丁寧な説明が欠かせない。
23日のQBネット株は売りが優勢となり、取引開始から9分後に公開価格(2250円)を6%下回る2115円の初値をつけた。その後は下値で買う動きが出たが、終値は2225円だった。同日マザーズ市場に新規上場したファイバーゲート株には買い注文が殺到し、売買が成立しなかったのとは対照的だった。
主力事業のQBハウスはメニューをカットのみに絞り、10分・1000円(税別)のサービスを展開する。低価格と駅前や繁華街に出店する立地の良さで男性客を中心に節約・時短ニーズを取り込んだ。1996年に1号店を出店して以来、17年末には国内店舗数を544店まで拡大。海外でも120店を運営する。
掃除の時間も含め顧客1人あたり15分でカットできるよう従業員の教育を徹底する。料金が固定のため、店舗ごとに1時間あたりの収益まで管理できる。洗髪やカラー用設備がなく、同業他社よりも出店コストが低く抑えられる強みもある。
上場を機に国内外で店舗数を積極的に増やす計画。国内では「駅構内や食品スーパーなどに出店余地がある」(北野泰男社長)とし、将来は少なくとも2~3倍の1000店強にする計画だ。若年層をターゲットにした新業態を強化し、商業施設内の出店などで女性客の取り込みも進める。
ただ、市場では会社の成長戦略を疑問視する声も出ている。低価格サービスには同業他社の参入も増え、競争が激化している。店舗数が増える中では「出店ペースは鈍化していく」(外資系証券アナリスト)との指摘もある。市場の疑念を拭うには、着実に店舗網を広げて業績を伸ばす経営努力が必要になりそうだ。
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