TPP11、3月に署名で一致 政府、19年発効めざす
首席会合が閉幕
米国を除く環太平洋経済連携協定(TPP)の参加11カ国は23日、東京都内で開いた首席交渉官会合で、署名式を3月8日にチリで開くことで一致した。茂木敏充経済財政・再生相が会合後の記者会見で明らかにした。米国を含めた12カ国で合意したオリジナル版TPPのうち、22項目の効力を一時凍結することを確認し、新たな協定文の内容が確定した。
茂木氏は「11カ国すべてが参加することで決着した。署名日が動くことはない」と明言。早期署名に慎重だったカナダも参加する見通しを示した。日本政府関係者も「カナダが仮に離脱しても日程を動かさずに10カ国で署名する」と述べた。
11カ国で署名すれば、6カ国が国内手続きを終えれば発効する。日本政府は今国会に協定案と関連法案を提出し、2019年発効を目指す。発効後は米国の復帰や他の国の参加を呼びかける。
昨年の大筋合意の際に知的財産など20項目の凍結で合意したが、4項目は継続協議としていた。
今回、継続協議の項目のうちマレーシアの国有企業への配慮見直しと、ブルネイのサービス・投資自由化の配慮見直しは凍結で一致。カナダの自国産コンテンツの優遇や、ベトナムの労働法制の整備の猶予期間は協定文本体でなく付属文書に書き込むことを確認した。
凍結はルール分野に限り、飲食料品や工業品などの関税はオリジナル版TPPの内容を維持する。チリは3月11日に大統領交代を控え、現政権の実績づくりとして署名式の開催を希望していた。