吉利、商用車ボルボの筆頭株主に 4000億円超出資か
【北京=多部田俊輔】中国の自動車メーカー、浙江吉利控股集団(浙江省)は27日、スウェーデンの商用車大手ボルボなどを統括するABボルボの筆頭株主となると発表した。現地メディアによると出資額は4000億円を超えるとみられる。出資比率は8.2%となり、議決権ベースでは15.6%を握るという。
吉利は傘下にスウェーデンの乗用車大手ボルボ・カーを持つ。同じ「ボルボ」ブランドを使う商用車メーカーの経営に参画して相乗効果を狙う。
スウェーデンの投資会社セビアン・キャピタルとABボルボの株式を取得することで合意した。吉利の李書福董事長は「ボルボ・カーとの連携の経験を活用し、ABボルボの経営戦略をサポートしていく」とコメントした。
吉利は1997年に自動車分野に進出し、2016年のグループ販売台数は130万台。10年に米フォード・モーターから乗用車大手のボルボ・カーを買収した。そのほかマレーシアの自動車メーカー、プロトンと英ロータスも買収している。商用車のボルボの筆頭株主になることで手薄だった商用車分野にも力を入れる。
ABボルボは「ボルボ」や「ルノー」のブランドの商用車を手掛けている。商用車のボルボは電気自動車(EV)や先進運転支援システムなどの技術を持つことから、今回の出資を契機に吉利やボルボ・カーとEVや自動運転技術の共同開発も進めるとみられる。