比大統領、共産勢力との和平交渉を打ち切り
【マニラ=遠藤淳】フィリピンのドゥテルテ大統領は23日声明を出し、比政府が共産主義勢力と進めていた和平交渉を中止すると宣言した。共産勢力は軍事部門を抱え、50年近く比政府と対立。ドゥテルテ氏は和平交渉を進めてきたが、軍との衝突がやまず、交渉を打ち切る。
共産勢力の統一組織、民族民主戦線(NDF)や傘下の新人民軍(NPA)などとの全ての交渉を打ち切った。共産勢力は各地で武装闘争を展開し、誘拐やテロを繰り返してきた。ドゥテルテ氏は就任後、和平交渉に取り組み、4月には一時停戦にこぎ着けた。
だが、その後もNPAと軍などとの交戦が散発的に発生。ドゥテルテ氏は最近「戦争もやむを得ない」などと述べ、強硬姿勢に転じていた。共産勢力との和平が遠のいたことで、治安に影響が及ぶ可能性がある。