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バドミントン界の「伝説」が桃田に送った言葉

編集委員 北川和徳

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バドミントンのダイハツ・ヨネックス・ジャパン・オープンが9月24日まで東京体育館で開催された。8月下旬の世界選手権(英グラスゴー)では、女子シングルスを奥原希望(22、日本ユニシス)が初制覇し、日本はメダル計4個を獲得した。そのバドミントンで東京に世界のトッププレーヤーが集結する大会とあって、会場は大勢のファンで沸いた。

日本では毎年、さまざまな競技の国際大会が開催されているが、夏季五輪で実施される個人種目でこれほど超一流が勢ぞろいする大会は珍しい。あえて挙げれば6月にある卓球の荻村杯ジャパン・オープンがそうだが、上位が中国選手ばかりとなる卓球と違い、バドミントンは欧州勢に、インドネシアやマレーシア、インドなども強く、さまざまなプレースタイルが楽しめる。

マレーシアの国民的英雄、リー・チョンウェイ 実はこの大会でどうしても見たいプレーヤーがいた。マレーシアのリー・チョンウェイ(34)。日本での知名度はあまり高くないが、バドミントン界ではすでにレジェンド(伝説)とも呼ばれるスーパースターである。過去には世界ランク1位を長期間にわたって維持し、ジャパン・オープンは6度も優勝している。

だが、五輪と世界選手権では頂点に立ったことがない。五輪は2008年北京からロンドン、リオデジャネイロと3大会連続の銀メダル。宿敵ともいえる中国の林丹(33)に2大会連続して決勝で敗れ、リオでは準決勝で林丹を破ったと思ったら、決勝でまたも中国のシン龍(28)に屈した。世界選手権も決勝で敗れること4度。これほど典型的なシルバーコレクターも他に例がないだろう。

多民族国家であるマレーシアで国民が一丸となって応援する英雄。マレーシアは五輪の金メダルをまだ獲得していない。3度も決勝で屈した彼の胸中を想像すると、こちらもつらくなる。

リオ五輪の決勝で敗れた後、去就について「来年の世界選手権まではプレーする」と話したそうだ。五輪はもう無理かもしれないが、世界一のタイトルだけは手にして引退したかったのだろう。だが、その世界選手権は1回戦でフランス選手にまさかの敗戦。10月には35歳になる。今回のジャパン・オープンが日本で生で彼のプレーを見る最後の機会になるのではと思っていた。

結果は決勝で今年の世界選手権王者、ビクトル・アクセルセン(23、デンマーク)に敗れて準優勝だった。世界選手権8強のうち7人が出場した大会だから、トップレベルの実力は健在だと示したといえる。正直に言って、気持ちを立て直してこれほど戦える状態で日本に来るとは思わなかった。「世界選手権後は1週間休んでから練習を再開した。常に満足する結果とはいかないが、ファンの前でいい加減な試合はしたくない。きちんと準備して戦っている」。初戦から5試合すべてを見たが、勝敗とは別に、他選手とは異なるステージにいる真のスターだと実感した。

3年後に「4度目の正直」を

身長は170センチ余り、体重60キロ。小柄で細身の体が軽やかなフットワークで躍動する。集中力が高まったときのプレーは特にすごい。前方に落とされたシャトルを体を投げ出して床すれすれでふわりと上げる。それがはかったようにギリギリでネットを越える。甘い返球には舞い上がるようなジャンプから強烈なスマッシュをたたき込む。ネット際では手品のようなヘアピンで相手を翻弄する。しなやかで知的で粘り強い。力みや無駄な動きがいっさいないプレーは美しいとさえ感じた。

全盛期から衰えがあるとすれば、個々のプレーの質ではなく集中力の持続だろう。初戦からミスが突然続いて失点を重ねるシーンがあり、決勝でアクセルセンに敗れる原因にもなった。

リオ五輪決勝で負けたとき、リーは「(次の五輪に)私が出ることはない」と語ったと伝えられる。今回は「年を取った分、あと2、3年はバドミントンを楽しむつもりでやっていきたい」と話した。勝手な希望だが、なんとか3年後の東京五輪のコートにも立って「4度目の正直」を目指してほしい。そこで違法賭博による出場停止処分からの再起を目指す桃田賢斗(23、NTT東日本)との対戦を見てみたいと思った。

実はリーも出場停止を経験している。14年8月の世界選手権での薬物検査で陽性反応が出た。このときも決勝で負けている。足を故障した際の医師の治療が原因とされる。暫定的に2年の処分となり、その時点で1位だった世界ランクは急降下。リオ五輪出場への道も断たれるところだったが、翌年4月の聴聞会で8カ月の処分となって復帰。そこから世界ランクを再上昇させてリオ五輪への出場を果たした。

違法賭博で処分を受けた桃田と同じにはできないが、競技生活の終わりを覚悟するほどの挫折と絶望感を味わったという意味では似ている。おそらくマレーシアでは桃田とは比較にならない大騒ぎになったはずだ。

リーは昨年のジャパン・オープンで6度目の優勝を飾ったとき、桃田に対してこんなコメントをしている。「百パーセント正しい道を歩める人間はいない。間違いを犯したら、それに気付き、自分を変えて、強くなって帰ってきてほしい」

桃田が着実に歩む再起の道

その桃田は着実に再起の道を歩んでいる。世界ランクが低いために今回のジャパン・オープンには出場できなかったが、9月は全日本社会人選手権に優勝した後、中旬のベルギー国際も優勝した。27日からはチェコ・オープンに出場している。

18日にベルギーから帰国した桃田の表情は、復帰直後よりもかなり柔らかくなっていた。実力的には優勝して当たり前のレベルの大会だが、進化しつつある自分のプレーに確かな手応えを感じているようだ。

世界ランク2位のころのピークだったプレーから何パーセントくらいまで戻ったかと聞かれると、「もう比べることができないと思う。スピードも上がったし、フィジカルも成長したと感じる。前の自分よりもっと強くなれるのではと期待している」。ストイックな練習でレベルアップした肉体による新たな感覚でのプレーを自分のものにしつつある。「今はバドミントンが楽しくて、いつもバドミントンのことを考えている。コートに立てるときはずっとシャトルを打っていたい」と言って、少し笑顔ものぞかせた。

桃田とリーは過去に1度だけ3年前の全英オープンで対戦し、リーが2-0で勝っている。レジェンドは今年も桃田に言葉を残してくれた。「いろいろなことを学んで、もっと練習もして、前より強くなっているのではないかな」。桃田との次の対戦を楽しみにしているようだった。

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