アユタヤ銀、三菱UFJ銀支店と統合
■アユタヤ銀行(タイ資産規模5位) 親会社の三菱東京UFJ銀行のバンコク支店と5日統合した。取引を引き継いだ日系企業の給与口座の獲得や、タイ企業の国外進出支援などで上位4行を追い上げる。
記念式典に出席したアユタヤ銀の後藤謙明社長兼最高経営責任者(CEO)は「アユタヤ銀はさらに大きくなるための明るい未来への一歩を踏み出した」と話した。
今後は、アユタヤ銀が得意とする個人向けサービスを、三菱東京UFJから引き継いだ日系法人顧客約4000社の従業員約70万人に提供するなどして取引を広げる。タイ企業に対しては、東南アジアや世界各国で展開する三菱東京UFJの拠点網やノウハウを活用して、貿易金融の提供や国外進出の後押しをする。
統合後のアユタヤ銀の資産規模は国内5位と順位は変わらない。後藤CEOはバンコク銀行やクルンタイ銀行といった四大銀の一角に食い込んでいく可能性は十分にあるとし、「タイと日系企業のシナジーを見つけて、さらに資産を積み上げていきたい」と意欲を示した。
三菱UFJのバンコク支店は昨年末で営業を終了し、5日付でアユタヤ銀のバンコク・サトーン支店として営業を始めた。看板や店内カウンターを黄色を基調としたアユタヤ銀の「クルンシー」ブランドに変更。日本語スタッフを配置した日本人対応窓口も設けており、初日から通帳変更などのために多くの日本人客が訪れた。
(バンコク=小野由香子)