JAXAの衛星データ活用、山口県など利用協定 防災などで
宇宙航空研究開発機構(JAXA)、山口県、山口大学は14日、衛星データの利用研究に関する協定を結んだ。政府機関の地方移転の一環として、茨城県つくば市にあるJAXAの一部機能を移転し、県と大学は受け入れ体制を整備する。地域防災に観測データを活用する方針で、来年初めにも運用を始める予定。政府が3月に基本方針を決めてからJAXAの地方移転は初めて。
同日、県庁でJAXAの奥村直樹理事長、村岡嗣政知事、山口大の岡正朗学長が協定書を交わした。村岡知事は「災害対応の強化、大学や企業との連携で新産業の創出にもつながる」と期待を述べた。
同県宇部市の県産業技術センターにJAXAが「JAXA西日本衛星リモートセンシング防災利用研究センター(仮称)」を立ち上げる。同市内にある山口大工学部は「応用衛星リモートセンシング研究センター(仮称)」を設置する。20人程度の教職員でデータの解析や情報処理を行う。
山口大のセンターはJAXAを通じ、地球観測衛星「だいち2号」などからデータを受信。豪雨災害の被害状況を分析し、地域の防災に役立てる。県産業技術センターにはインターネット通信衛星「きずな」用のパラボラアンテナを置き、つくば市の受信施設のバックアップとする。
政府機関の地方移転で、山口県には今後、岩国市に防衛装備庁艦艇装備研究所の関連施設、下関市の水産大学校に水産研究・教育機構の一部が移転する予定だ。