JR西日本、夏旅CMに「HKT48」起用 イメージ戦略を転換
西日本旅客鉄道(JR西日本)はテレビCMなどイメージ戦略で攻勢に出る。夏の旅を促す企画のイメージキャラクターに博多を地盤に活躍するアイドルグループ「HKT48」を起用すると23日発表した。これまで中高年を対象にした広告宣伝が多かったが、若者層の旅行需要を開拓。鉄道と宿を組み合わせた割安な旅行などを提供する。
キャンペーン名は「家族みんなでアツくなれ!Team夏旅応援団」で、HKTの12人のメンバーが参加する。メンバーは6月下旬に新幹線博多駅や岡山駅、金沢駅など5駅で一日駅長を務めるほかCMやポスターに登場して家族連れや若者に夏の旅行を呼びかける。熊本地震後、観光需要が低迷する九州や北陸、中国地方などに誘客する。
大阪市内で23日開かれた記者会見で児玉遥さんは「被災地の復興が進み、観光地も営業を再開している。興味のある人には現地に足を運んでもらいたい」と九州への旅行を呼びかけた。
これまでJR西日本では女優の仲間由紀恵さんや、50歳以上を対象にした「おとなび」には伊藤蘭さんをイメージキャラクターに起用してきた。特に2005年の福知山線脱線事故以来、派手な宣伝広告を控えてきたJR西日本にとってアイドルの起用はイメージ戦略の転換点となる。
6月に社長に就任する来島達夫副社長は、脱線事故の被害者対応は継続しつつ、「これまで以上に会社の事業展開などについて外部に発信もしていきたい」と意欲を見せている。
関西の鉄道会社は沿線人口の減少に直面している。旅行消費を促すだけでなく、沿線人口を増やすためブランド力向上へ発信力を強化している。南海電気鉄道では15年から田原俊彦さんを起用したCMを制作。沿線の観光地の旅情をかき立てる内容が一般的ななか、一線画したコミカルな内容で話題を呼んでいる。京阪電気鉄道ではイメージキャラクター「おけいはん」に公募した一般女性を起用し、CM以外にイベントなどに登場している。
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