金正恩氏、党委員長に就任 北朝鮮・労働党大会が閉幕
【平壌=峯岸博】北朝鮮の朝鮮労働党大会は9日、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の朝鮮労働党委員長の就任を決めて閉幕した。正恩氏はもともと最高指導者だが、36年ぶりに開いた最高指導機関で新たに「最高位」ポストに就くことで、内外に「金正恩時代」の本格的な幕開けを印象づける狙いとみられる。
北朝鮮で今も尊敬を集める金日成主席は一時、党中央委員会委員長というポストも務めた。正恩氏の党委員長就任は祖父を見習う路線の一環ではないかとの見方もある。
正恩氏は閉会宣言で「巨大な成果をあげた。党の歴史で光り輝くだろう」と党大会を総括した。
党大会は8日、正恩氏が同日までに実施した演説や討論を踏まえて「核兵器の小型化、多種化を高い水準で実現し、核戦力を質・量的に強化して『東方の核大国』に輝かせていく」とする決定書を採択。核兵器開発の拡大を正式に決めた。「金正恩同志を革命の最高位に頂き、革命闘争を勝利に導いていく」ことも盛り込んだと9日付労働新聞が報じた。
党大会の4日目となる9日は党幹部の人事も実施した。正恩氏の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長が指導部入りする可能性も取り沙汰されたが実現しなかった。
核開発の意欲を隠さない北朝鮮に対し韓国は強く反発している。韓国大統領府によると朴槿恵(パク・クネ)大統領は9日、訪韓したクウェート首相との会談で北朝鮮に言及し「朝鮮半島と北東アジアだけでなく全世界の平和と安定を脅かす」と批判した。