ベネズエラ制憲議会、政権批判の検事総長罷免 強権化止まらず
【サンパウロ=外山尚之】南米ベネズエラの制憲議会は5日、政権を批判するオルテガ検事総長を罷免し、新たに政権内の人材を任命した。制憲議会が発足してから1日もたたないうちに反政府派の粛正に手をつけた形で、強権化に歯止めがかからなくなっている。
5日朝に治安部隊が検察庁を取り囲み、オルテガ氏の入庁を拒んだ。同氏は4月以降にマドゥロ大統領が憲法改正へと突き進む中、政権を公然と批判するなど反旗を翻していた。後任のサーブ氏はチャベス前大統領の信奉者で議員や州知事を歴任するなど、政府内でも強硬派として知られる。
ブラジルやアルゼンチンが加盟する関税同盟の南米南部共同市場(メルコスル)は5日、サンパウロで緊急外相会議を開き、昨年12月から資格停止中のベネズエラを無期限資格停止とすることを決めた。一方で人道的な見地から、国境の封鎖や貿易の停止などの経済制裁は見送った。記者会見でブラジルのヌネス外相は「ブラジルに来ることを望むベネズエラ人を歓迎する」と説明した。