<練習試合:浦和3-0浦項>◇18日◇鹿児島県指宿市

 浦和は、韓国Kリーグの浦項と練習試合を行い、3-0で快勝した。後半途中から出場したMF林勇介(19)は、ポジションを変えながら、スピードを生かして前進し、後半43分には得意の左足でゴールを奪った。昨季のリーグ戦出場はないが、手薄な左サイドバックで起用されるなどフィンケ監督体制になって存在感が増している。Jリーグ王座奪回に向け、高校生FWの原口に続いて飛躍しそうな若手がまた1人、現れた。

 後半18分、林はFW原口に代わってピッチに入った。フィンケ監督から「前で自由に動け」との指示を受け、中盤の左サイド、3トップの右サイドとポジションを変えながら、激しい当たりの浦項に向かった。後半43分には相手DFをかわし、今季の練習試合で自身初のゴールを決めた。

 盛岡商2年時には全国高校選手権で3得点して優勝した。だが、プロの壁は厚く、入団した昨季は層の厚い浦和では出番なし。リーグ戦、ナビスコ杯、天皇杯とベンチ入りすらできなかった。オフには筋力トレーニングに力を入れ、体重約2㌔増で迎えた今季、若手を鍛え戦力の底上げを図ろうとするフィンケ監督の就任でチャンスが増えた。

 1月の宮崎合宿では、相馬のポルトガルリーグ移籍などで手薄となった左サイドで起用されるなど、浦和では数少ないレフティーとして存在感は増している。この日はゴール前のFKでキッカーを務め、CKで3点目の起点となった。

 現役高校生FWの原口ら今季の浦和は若手の成長が著しい。「短い時間だったけど、点に絡めたのでアピールになった。結果を出せば監督も使ってくれると思う」。林も出場の機会を虎視眈々(たんたん)と狙っている。【今井恵太】