湘南が新スタジアムへの本拠地移転を検討していることが28日、分かった。候補地として、大手コンサルタント会社から神奈川・平塚市、藤沢市、茅ケ崎市などから複数リストアップされているという。完成は早くても22年以降とみられるが、民活プロジェクトで2万人以上収容のサッカー専用スタジアムの建設を目指している。10月末には、第三者委員会が設置される。

 移転の狙いは、タイトルを取るためのクラブ規模拡大だ。現在、湘南は年間順位17位と降格圏に沈む。苦戦の背景には、主力が引き抜かれる現状がある。今季も昨季主力として活躍したDF遠藤(浦和)MF永木(鹿島)GK秋元(東京)らの穴が埋められていない。営業収入は浦和の約4分の1となる約15億円。クラブは2025年までにタイトルを取る青写真を描いており、真壁会長は「今のクラブ規模では限界がある。(営業収入を)倍の約30億円にしないといけない」と話していた。

 現在のBMWスタジアム(平塚市)の収容人数は1万5200人で、浦和や横浜など人気カードではキャパ不足で、入場収益が頭打ちだった。本拠スタジアムを新たにし、入場収益の増加やクラブのブランド力向上に伴う営業収益の向上を目指す。

 ◆湘南ベルマーレ 1968年(昭43)に藤和不動産サッカー部として那須市で創部。栃木県4部から3年で日本リーグ入り。75年にフジタ工業として本拠を東京に移し、70年代後半に日本リーグ3度、天皇杯2度優勝の黄金期を築く。94年にベルマーレ平塚に改称しJリーグ入り。94年天皇杯、95年アジアカップウイナーズ杯優勝。99年に親会社のフジタが撤退すると低迷。00年のJ2初年度から湘南ベルマーレに改称した。10年からJ1復帰も、その後は2度の降格と昇格を繰り返す。ホームタウンは茅ケ崎市、平塚市、藤沢市など7市3町。主なOBは中田英寿、呂比須ワグナー。