G大阪が来季2チーム制をとり、セカンドチームのJ3参入を検討していることが5日、分かった。野呂輝久社長(61)は「出場機会の少ない選手、若手、ベテラン問わずに真剣勝負する場所を提供したい」と説明。他にC大阪と東京、鳥栖も準備を進めている。今日6日のJリーグ実行委員会で議題に挙がり、今月の理事会で承認されれば4クラブの来季参入が正式決定する。

 Jリーグは09年にリーグ出場機会の少ない若手選手のために設置されたサテライトリーグを廃止。代わって関西圏では10年から関西ステップアップリーグを行ってきた。昨季まではG大阪、神戸、C大阪、京都、関西学生選抜の参加5チームで2回戦総当たりのリーグ戦を実施。しかし、今季はJクラブ同士の対戦が廃止され、関西学生選抜との2試合だけとなった。ベンチ入りできない選手の実戦機会は激減した。J3参入が実現すれば、東京五輪でエースとして期待されるユース所属の高2のMF堂安律(どうあん・りつ)や、リオ五輪世代のMF井手口陽介(19)ら期待の若手の公式戦出場も増え、英才教育を施すこともできる。

 さらにJ3全体の発展も目指す。今季J3の入場者数は4日の第32節終了時で平均2349人。野呂社長は、ブランド力あるJクラブが参加することによって「今より観客数が増えて欲しい」。また、今月に完成するG大阪の新スタジアムを効果的に運用する上で、「土曜日にJ1、日曜日にJ3と試合ができたらいい」との考えも示した。実戦機会の増加によってチーム内の競争を激化し、常勝軍団へステップアップを図る。

 ◆来季のJ3リーグ 現在の12クラブ+Jリーグ・アンダー22選抜(U-22選抜)から拡大し「5」増の18クラブになる見通し。現行の3回戦総当たりが維持されれば09年のJ2に並ぶ51試合、ホーム&アウェー1試合ずつの2回戦総当たりに変われば年間34試合になる。入れ替えは上位のJ2と最大2クラブ、下位のJFLと1クラブ。今季はJ2最下位(22位)が自動降格、21位がJ3との入れ替え戦(11月29日、12月6日)に臨む。JFLは年間順位の上位3チームが昇格条件を満たしておらず、J3クラブライセンスを交付された鹿児島ユナイテッドFC、奈良クラブ、アスルクラロ沼津(現在4~6位)のうち1チームが年間4位に入れば昇格できる。J3は14年に12クラブでスタート。今季から山口が加入し年間36試合を戦っている。