東京五輪の聖火リレーは11日、福岡県で行われたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、点火セレモニーのみの開催となった。平和台陸上競技場内に設置されたステージ上で、ランナーがトーチキスを行うだけ。大阪府は公道開催を中止して万博記念公園内で実施し、沖縄県では一部区間以外は大阪同様の措置が取られたが、今回は初めて1人も走らないリレーとなった。

本来は福岡市を走る予定だった女優の吉田羊が登場すると拍手が起きた。トーチを手にガッツポーズで聖火を受け、次の走者に渡した後は「2020」と声を出しながらポーズを決めた。久留米市出身で大会ゴールドパートナーENEOSのCMにも出演中だが「急なことでこんな形のセレモニーになったにもかかわらず、整った環境だと思いました。地元で参加出来たことは誇り」。大会本番に向けては「一生に1度の日本でのオリンピックになると思う。日本中、世界中が心を1つに、勝っても負けても健闘をたたえ合う健やかなオリンピックになれば良いと思います」と願った。【鎌田直秀】

◆11日の聖火リレー 点火セレモニーのみの実施となった。男子柔道でパリ五輪を目指している明大2年の森健心さんからスタート。76年モントリオール五輪男子柔道80キロ級金メダルの園田勇さん、76年モントリオール五輪男子柔道93キロ級金メダルの二宮和弘さん、08年北京五輪女子ソフトボール金メダルメンバーの藤本索子さんらがつないだ。12日も北九州市の関門海峡ミュージアムで同様に開催。元プロ野球ソフトバンク投手で野球解説者の摂津正さん、12年ロンドン五輪女子バレーボール銅メダルに貢献した「世界最小最強セッター」竹下佳江さんらが登場する。