ヘンリー王子(38)が、17日夜にエリザベス女王のひつぎが安置されているウェストミンスター・ホールで行われる女王の孫たちによる通夜で、軍服の着用が特例で認められたことが分かった。

米ABCニュースなどによると、ウィリアム皇太子やいとこのユージェニー王女、ベアトリス王女ら8人の孫が女王のひつぎの周りに集まって行われる通夜で、皇太子と共に軍服を着用することをチャールズ国王が認めたという。女王を追悼する通夜では、孫たちがひつぎの横に15分間立ち、女王のひつぎを守ることになっている。

軍での肩書を持つ王族は通常、葬儀を始めとする儀式には軍服を着用することになっているが、20年に王室を離脱して公務から退いているヘンリー王子は女王の葬儀に関する一連の儀式で軍服を着用することが禁じられていた。

しかし、同じく未成年への性的暴行疑惑で公務を退いた女王の次男アンドルー王子は、16日夜に国王を含む女王の4人の子供たちによって行われる通夜でのみ「母への特別な敬意の印として」軍服の着用が認められたことから、ヘンリー王子にも同様の措置を取るべきだとの声が上がっていた。

英陸軍で10年間任務につき、アフガニスタンに2度派遣されているヘンリー王子は、王室離脱時に3つの名誉軍人としての肩書を失っている。今回、チャールズ国王の意向で着用が認められたことから、確執が取り沙汰されるヘンリー王子との和解に向けた動きである可能性が浮上している。

ヘンリー王子とアンドルー王子は、14日に女王のひつぎがウェストミンスター・ホールに運ばれた際には、モーニングスーツの礼服で葬列に加わっており、19日に行われる国葬にもモーニング姿で参列するものと見られている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)