NHKの「お笑い三人組」で人気者になった落語家の三遊亭金翁(さんゆうてい・きんおう、本名松本龍典=まつもと・りゅうすけ)さんが27日午前1時33分、死去した。93歳。東京都出身。落語協会が発表した。葬儀・告別式、喪主は未定。

1941年7月に三代目金馬に入門。45年に金時から小金馬に改名、58年に真打ち昇進。67年に4代目「三遊亭金馬」を襲名した。NHKのバラエティー番組「お笑い三人組」には物まねの3代目江戸家猫八さん、講談師の一龍斎貞鳳さん(いずれも故人)らと出演し、人気者になった。現役で最も芸歴が長い落語家ともいわれていた。最後の寄席出演は、今年1月19日の末広亭だった。

20年に「三遊亭金馬」の名跡を弟子で次男に譲った。主な持ちネタは「阿武松」「芝浜」「親子酒」など。

落語協会の会長の柳亭市馬がコメントを発表している。以下、コメント全文。

81年間、第一線で活躍し続け、落語界を引っ張って来られた、金翁師匠のお姿は、後に続く我々の心の支えであり、誇りでした。

古典、新作の区別無く、お客様に喜ばれる噺をする事を、第一に考えていました。人情噺から滑稽噺まで幅が広く、持ちネタの豊富さも、随一でした。

ご自身の事のみならず、落語界の発展の為、数々の功労がありますが、中でも国立演芸場設立の際の尽力は、特筆すべきものです。

「お笑い三人組」で一緒に活躍した、猫八先生の孫の小猫さんが来春、五代目猫八を襲名する時には、是非出演していただきたかったが、叶わず残念です。

金翁師匠、本当に長い間、お疲れ様でした。最近まで、前座にまでも稽古をつけて下さいまして、有難うございました。師匠の教えは、みんなで受け継いでまいります。ごゆっくり、おやすみ下さい。