第51回ブルーリボン賞が14日、東京映画記者会(日刊スポーツなど在京スポーツ7紙の映画担当記者で構成)から発表され、新人賞は吉高由里子(20)が「蛇にピアス」で見せたオールヌードの体当たり演技が評価され選出された。主演男優賞は本木雅弘(43)が受賞した。授賞式は2月3日、東京・銀座ブロッサム(中央会館)で行われる。

 受賞の知らせに「恐縮です。やんややんやの、わんわわんわです!」と喜んだ。

 「蛇に-」の出演が決まりかけた07年9月に交通事故に遭い全身打撲を負ったことも、作品に作用したようだ。ICU(集中治療室)に入り、痛みで自分を認識した。ピアスを開ける痛みで存在を確かめる「蛇-」の主人公ルイと重なる。

 オールヌードも病院での経験が後押しした。吉高は「病院で自分の裸を見て、こんなのみんな一緒じゃんって思ったの。別に大したことないって。脱ぐ脱ぐって言葉だけだなって。実は、裸が一番おしゃれかもしれないし。ICUを出たばっかりだったので、日本で一番生命力があったかも。何も怖くなかった」。

 年齢らしからぬ度胸を示すエピソードは、蜷川幸雄監督に自分の体を見てもらったことだ。「監督のイメージと私の体が違ってたら嫌だなと思って、衣装合わせの時に『ちょっと、ちょっと』とお願いして見てもらいました」と笑った。全部脱いだんですか、と聞くと「そういう作品ですから」と、淡々と答えた。

 二十歳らしい無邪気さも魅力だ。取材したのは、昨年のクリスマス時期。突然、仕込んでいたクラッカーを鳴らし「ハッピークリスマス!!

 ビックリするのもさせるのも大好き」と、はしゃいだ。

 昨年はオムニバス作品も含め4作に出演した。映画女優としての活躍が期待されての新人賞選出。吉高は「100%やり切った気持ちはない」と、これからを期待させる頼もしい言葉で答えた。【小林千穂】