中日大島洋平外野手(37)がプロ野球史上55人目となる通算2000安打を達成した。残り1本で迎えたDeNA戦に「2番左翼」で2試合連続でスタメン出場し、3回に左腕石田から中前打を放った。2000安打は21年9月4日の栗山巧(西武)以来。一塁ベースに到達した大島はチームメートの高橋周、DeNA京田から花束を受け取り深々と頭を下げた。

享栄時代の監督で、現在は総監督を務める柴垣旭延(あきのぶ)氏(81)がサプライズで登場し、花束を手渡された。

大島は享栄-駒大を経て日本生命から09年ドラフト5位で入団。大学、社会人を経ての2000安打は古田敦也、宮本慎也(ともにヤクルト)、和田一浩(中日)に次いで4人目の偉業で、左打者では初だ。「強豪の高校、大学、社会人に入れて、そういうところでレベルアップできた。いい縁に恵まれた」と言い、アマ時代の環境、この日の柴垣氏をはじめ多くの指導者に感謝する。

プロでは落合博満、高木守道、谷繁元信、森繁和、与田剛、立浪和義と6人の監督の下でバットを振った。「どの監督の時もずっと使っていただけた。すごく感謝の気持ちもある。試合に出ている以上、結果を残さないと思ってやってきた。監督にいろいろと言われたことはない。選手は使ってもらうのが一番ありがたいことなので、それだけで十分」。

172安打を記録したプロ3年目の12年から12年連続で100安打以上をマーク。プロ14年目での2000安打達成はラミレス(DeNA)の13年に次ぎ、坂本(巨人)ら6人に並んで日本人最速というデータも「使われ続けた選手」であることを物語る。

なお、中日では17年荒木雅博以来7人目で、生え抜きでは、高木守道、谷沢健一、立浪和義、荒木に次ぎ5人目の達成となった。

37歳の安打製造機が歩みを止めることは当面なさそうだ。【伊東大介】

 

▽DeNA三浦監督(中日大島の2000安打に)「すごいことだと思います。球場全体が祝福ムードの中で独特な特別な雰囲気になりましたけど、その後しっかり戦闘モードに入ってよく守ったと思います」

▽DeNA京田(2000安打を放った中日大島に花束を贈呈し)「(昨季までチームメートで)僕が若い時にいろいろ食事とか野球以外でもお世話になったので、目の前で見られたというのは何かすごい縁を感じますし、そういう場に立ち会えて良かったです」

▽DeNA石田(3回に中日大島に2000安打を浴びるも、6回無失点と粘投)「歓声もすごいだろうし、打たれたら、間を空けてリセットして投げようと試合前から思っていた。あの後しっかり抑えられましたし、結果的には良かったと思います」

◆大島洋平(おおしま・ようへい)1985年(昭60)11月9日、名古屋市生まれ。享栄-駒大-日本生命を経て09年ドラフト5位で中日入団。12年に32盗塁で盗塁王、ベストナインにも輝いた。ゴールデングラブ賞は11、12、14~16、18~21年の9度。19、20年には2年連続で最多安打のタイトルを獲得。2000安打は中日生え抜きでは17年の荒木以来、史上5人目。176センチ、75キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸は2億5000万円(3年契約2年目)。

◆日本プロ野球名球会 通算2000安打を達成した大島は、名球会入りの資格を得た。名球会は78年に設立され、野球振興、社会貢献を目的にする団体。入会資格は日米通算で投手なら200勝または250セーブ、打者なら2000安打以上。入会資格に相当する記録保持者が、特例で入会する制度もある。理事長は古田敦也氏。

【動画】中日大島洋平が2000安打 ドラゴンズ一筋14年、ファンから拍手