ロッテ和田康士朗外野手(22)が今季24盗塁で盗塁王に輝いた。

チームメートの荻野、西武源田、日本ハム西川と並んでの受賞。特に荻野との同時受賞については「1年目から本当に気に掛けてくださって。同時受賞というのは本当にうれしいですね。僕の憧れの先輩なので」と喜んだ。試合後にはダグアウトで祝福し合った。

17年育成ドラフト1位でBCリーグ富山から入団した。埼玉・小川高時代は学校の硬式野球部に所属せず、地元のクラブチームでプレー。“甲子園に出場できる可能性がゼロだった”という、NPB選手としては異例の経歴を持つ。抜群の脚力で昨春に支配下登録され、いきなり23盗塁。「去年の23個は超えたかったので、そこは1個超えられたので、良かったかなと思います」と24盗塁を喜んだ。

BCリーグ出身者がNPB1軍でタイトルを獲得するのは初めてのこと。「BCリーグで野球をやっている人たちに少しでも夢というか、希望を与えられたかなと思います」と胸を張った。国内の独立リーグ出身者としても、現チームメートで首位打者を2度獲得した角中勝也外野手(34)に続く快挙になる。

96試合出場の大半が、代走か守備固めだった。シーズンで24打席のみ。それでいて24個の盗塁を決めた。今季のスタメンは2試合のみ。スタメン試合数1桁での盗塁王獲得は、史上初となる。「記録を更新できたというのはうれしいですね」と笑顔を見せる。

昨年の23盗塁でマークは厳しくなった。盗塁死は5個。けん制死もあった。最後の盗塁は9月24日の西武戦(メットライフドーム)までさかのぼる。「優勝争いをしていくうちに、走れなくなったり、けん制も多くなったり。帰塁というのは来年の課題だと思います」と肥やしも得た。

好投手が次々に登場するCSは、これまで以上に1点の重みが増す。和田の足が勝敗を左右する場面も十分に考えられる。「割り切っていくしかないので。代走で行ったら、割り切れるようにやっていきたいですね」。スペシャリストが目を光らせた。【金子真仁】