11年ぶりの30発トリオ結成で、ソフトバンクが球団通算5000勝を飾った。4回に李大浩内野手(33)が30号逆転2ランを放った。松田、柳田に続く30発超え。チームでは04年松中(44本)、ズレータ(37本)、城島(36本)以来11年ぶりの快挙だ。また、この日で今季89勝目。球団の福岡移転後ではシーズン最多勝利に並んだ。

 李大浩が今までの鬱憤(うっぷん)をバックスクリーン左へたたき込んだ。1点を追う4回、ロッテ先発イ・デウンの高めの甘い球を逃さなかった。「調子がよくなかったので、芯に当てることだけ考えていた。30本(到達)は遅れてしまったが、いいきっかけにしたい」。9日の日本ハム戦で29号を放って30発トリオに王手をかけていたが、そこから不振にあえいだ。14試合ぶりのアーチ。3戦無安打、16打席ぶりとなる安打は、連敗を3で止める決勝弾となった。「(柳田、松田は)すばらしい選手だと思っています」。強力な仲間を意識し、来日4年目で初の大台に乗せた。

 球団通算5000勝を達成。工藤公康監督(52)は「選手たちが築き上げてきたことなので。5000はすごい数字なのでいいなと思いますね」と笑った。選手としても95年からの5年間で49勝を挙げているが、今年は新人監督として、この日で89勝。05年以来、89年福岡移転後のチーム年間最多勝利数に並んだ。笑顔の裏に、先を見据えた計算もある。森、五十嵐とつなぎ1点差での逃げ切り。守護神サファテはCSを見越して休養させた上で、今季初の4連敗を阻止した。

 今日27日にロッテに勝つか引き分ければパ5球団すべてにホーム、ビジターで勝ち越すパ初の「完全制圧」となる。「消化ゲームはない。勝つのも大事」(工藤監督)。エース摂津で勝ちにいく。残り8試合。どこまで白星を積み上げられるだろうか。【石橋隆雄】

 ▼ソフトバンクの30本塁打以上の球団最多は4人で、ダイエー時代01年の小久保44本、松中36本、城島31本、井口30本。これはプロ野球最多タイで、パ・リーグ唯一。

 ▼球団通算5000勝=ソフトバンク 26日のロッテ24回戦(QVCマリン)に勝利して記録。初勝利は南海時代の38年9月6日の金鯱戦(後楽園)で、通算成績は5000勝4530敗359分け。5000勝到達は巨人、阪神、中日、オリックスに次いで5球団目となり、9889試合で到達は巨人の8777試合に次いで2番目に早い。