巻機山の山頂で確認された樹氷=1月、南魚沼市(漆崎隆之さん撮影、山形大提供)
巻機山の山頂で確認された樹氷=1月、南魚沼市(漆崎隆之さん撮影、山形大提供)

 新潟県南魚沼市の巻機(まきはた)山(1967メートル)で2023年1月、87年ぶりに巨大な樹氷(アイスモンスター)が確認されたと、山形大名誉教授の柳澤文孝さん(67)=山形市、環境科学=が発表した。山スキーで訪れた新潟市西区の会社員漆崎隆之さん(47)が撮影した写真を、柳澤さんが調べた。柳澤さんは「温暖化で樹氷は減る一方、これまであまり見られなかった地域で新たな樹氷ができる可能性がある」と指摘する。

 樹氷は、氷点下でも凍らない空気中の過冷却水滴が常緑針葉樹「アオモリトドマツ」に当たった衝撃で凍り、周りに雪が付着して木全体をすっぽり覆ったものを指す=図参照=。北海道や長野県などでは1960年代以降、温暖化に伴い、消滅したか毎冬確認できなくなった。冬の風物詩となっている蔵王連峰(山形県、宮城県)など東北地方でも少なくなっている。

 柳澤さんによると...

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