バーベキュー客が残したとみられる空き缶や紙皿、割り箸などのごみ(6日午前10時30分ごろ)

バーベキュー客が残したとみられる空き缶や紙皿、割り箸などのごみ(6日午前10時30分ごろ)

天ケ瀬吊橋付近の私有地でバーベキューをする若者や家族連れ(4日午後1時50分ごろ、宇治市宇治)=画像の一部を加工しています

天ケ瀬吊橋付近の私有地でバーベキューをする若者や家族連れ(4日午後1時50分ごろ、宇治市宇治)=画像の一部を加工しています

 宇治川に架かる天ケ瀬吊橋(つりばし)(京都府宇治市宇治)周辺にある火気厳禁の公園や私有地で、バーベキューが盛んに行われている。放置されたごみが散乱し、地元住民らは「本当にマナーが悪い。やめてほしい」と訴えている。

 大型連休中の4日午後2時ごろ、記者が現地へ向かうと、乗用車約80台が路肩などに止まっていた。約9割は京都ナンバーで、府民とみられる多くの若者や家族連れが、右岸の空き地を中心にバーベキューを楽しんでいた。

 6日午前10時半ごろに改めて訪れると、空き缶や割り箸、紙皿などが散乱していた。付近を毎日散歩しているという男性(71)は、春や秋の休日には以前からごみが多く捨てられていたが「今回の量は例年以上」といい、「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言で休業するキャンプ場もあったので、より多くの人が集まったのでは」と憤る。

 そもそも、同吊橋周辺でのバーベキューは禁止行為に当たる。市観光振興課によると、左岸の公園は市の管理基準で火の使用を禁じており、右岸の空き地も私有地のため「本来は無断で立ち入ることも許されない」と強調する。

 市は以前から、火気厳禁やごみの持ち帰りを呼び掛ける看板を公園に立て、大型連休も例年なら見回りをするなど対策を取ってきた。だが、私有地は所有者からの依頼が無いため注意書きを掲示しておらず、今年は「外出自粛が呼び掛けられ、観光客が少ないとみて見回りをしなかった」という。

 ごみは、市が週3回実施している観光地の清掃活動で取り除いているほか、地元住民からの苦情を受けて回収している。同課は「利用者にはモラルを守ってほしい。今後も注意喚起を続けていくしかない」と頭を悩ませる。