ひょうご経済プラスTOP 経済 神姫バスクルーズ事業堅調 姫路港発着でリピーター定着

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神姫バスクルーズ事業堅調 姫路港発着でリピーター定着

2019.12.19
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 神姫バス(兵庫県姫路市)が、大型客船を活用したツアーの商品開発に力を入れている。客船をチャーターして実施する姫路港発着のツアーは地元ニーズを掘り起こし、リピーターも定着。郵船トラベル(東京)との共同企画で、豪華バスの乗車を組み合わせたツアーは、今年の「クルーズ・オブ・ザ・イヤー」の特別賞に選ばれた。(三島大一郎)

 2009年の姫路港開港50年を記念し、地元の要望も踏まえて、鹿児島県・屋久島を2泊3日で訪れる同港発着のチャータークルーズを実施したのがきっかけ。以降、五島列島(長崎県)や小笠原諸島(東京)、釜山(プサン)(韓国)を寄港地とする2~4泊(基本料金約10~15万円)のツアーをほぼ毎年実施してきた。

 当初は客船「ふじ丸」(約2万3千トン、退役)をチャーターしたが、14年からは「にっぽん丸」(約2万2千トン)に変更。「姫路港発着」が人気で、これまでに播磨エリア在住者を中心に延べ約3500人が乗船した。リピーターは3割を超えるという。

 さらに今年は郵船トラベルと協力し、客船「飛鳥2」(約5万トン)で神戸港から名古屋港に行き、上陸後は神姫バスの豪華バス「ゆいプリマ」に乗車してもらうコラボ商品などを企画。「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2019」の審査では「豪華バスの乗車でラグジュアリー感を取り入れ、船を下りた後も楽しめる」と高評価を得た。

 来年は6月27日から2泊3日で、長崎県・対馬を寄港地とするツアーを企画している。今月25日から先行販売するという。

 少子化や運転士不足などで路線バス事業が縮小傾向にある中、同社はグループで成長分野の旅行・観光事業に注力している。担当者は「まだ手探りの状態だが、チャータークルーズは10回目を数えることができた。クルーズを旅行事業の柱の一つとして成長させたい」としている。