川崎市は本年度、市内2カ所の火葬場で夏と冬の年2回、友引日の火葬業務を試行する。超高齢化社会で多死時代を迎え、遺族が火葬まで待たされる日数が増えており、これまで閉めていた友引も本格的に開場して対応すべきか検討する。
友引は「友を引く」として縁起が悪いとされ、葬儀や火葬が敬遠されてきた。閉場する自治体が多いが、首都圏では火葬需要が急増し、県内で横浜、相模原市がすでに友引日に開場している。
川崎市内で開場するのは、市が運営するかわさき南部斎苑(川崎区)とかわさき北部斎苑(高津区)。両施設合わせた火葬件数は年間約1万件に上り、火葬までの待機日数は平均4~5日。亡くなる人が増える冬場は1週間近く待たされる時期もあるという。
試行日には火葬場のほか、遺体保管、斎場、休憩室も開場する。市生活衛生課は「仏滅に結婚式を挙げる夫婦も出てきているが、友引でも気にしない遺族が多ければ本格的に対応していきたい」としている。