交わり離れた人生 日本社会への思い
2人の男性がいる。学生時代に人生を交錯させ、後に別の生き方を歩んだ。
安彦良和さん(74)。アニメ「機動戦士ガンダム」をはじめ、歴史物に代表される数々の作品を生み出してきた希代の漫画家だ。
青砥幹夫さん(72)。50年前、連合赤軍構成員として本県の山岳アジトで起きた集団殺人事件に関与、服役を経て社会復帰した。
ともに弘前大に在籍中、新左翼の全共闘系として行動した。仲間と同大学本部をバリケード封鎖したのは1969年9月。逮捕後、安彦さんは表現の世界へ、青砥さんは連合赤軍の前身組織、赤軍派へ向かった。
道を違えたのはなぜか。連合赤軍事件の背景や本質は何か。2人の目に、半世紀後の社会はどう映っているのか。対話を通じて今、再び連赤に問う。
上毛新聞の連載「連赤に問う」(昨年11月~今年2月掲載)は、50年前に群馬県で起きた連合赤軍による山岳アジト事件、これに続くあさま山荘事件(長野県軽井沢町)について、当事者や識者に取材を重ね、その像を再考した。特別編は、安彦良和(74)、青砥幹夫(72)の対話を通して事件の実相や本人たちの思い、50年後の社会のありように改めて迫る。(敬称、呼称略)...