群馬テレビ本社=22日、前橋市上小出町
武井和夫氏
中川伸一郎氏

 群馬テレビ(前橋市上小出町)は22日、取締役会で武井和夫社長(76)を解職して代表権のない取締役とし、新社長に中川伸一郎専務兼報道局長(62)を選任したと発表した。同社を巡っては、人事を巡り不当労働行為があったとして労働組合が県労働委員会に救済を申し立てるなど、混乱が生じていた。解職理由を「正常な形での放送業務を果たせない状況を改善するため」などとしている。

 同社によると、同日の取締役会には16人が出席。武井氏の解職決議案は過半数の賛成で承認された。武井氏から発言はなかったという。「求められる社会的責任、使命、正常な形での放送業務を果たせない状況を改善し、県域放送局としてあるべき姿を回復させるべく熟慮を重ねた結果」としている。

 組合は10月に県労働委員会に救済を申し立てた際の記者会見で、武井氏が8月までの3年間に計25回、延べ122人と業務実態を無視した人事異動を繰り返したり、「スポンサーでない自治体や企業に取材に行く必要はない」と指示したりしたなどと主張。「社内状況が悪化した」として退任を求めていた。