厚労省元局長、無罪確定

元局長の指示否定

 障害者割引郵便悪用事件で、虚偽有印公文書作成罪などに問われ、無罪を主張している厚生労働省元局長村木厚子被告(54)=休職中=の第8回公判が24日、大阪地裁であった。共犯に問われた同省元係長上村勉被告(40)が証人として出廷、実体のない障害者団体を割引対象と認める証明書発行について「自分で勝手に決めて、自分一人で実行した」と述べ、村木被告の指示を否定した。
 証明書が発行された2004年当時、上村被告は、同省障害保健福祉部企画課長だった村木被告の部下。村木被告の関与については、上司だった同部の元部長(58)が証人尋問で、自らの村木被告への指示を否定している。
 上村被告は検察側の質問に対し、村木被告を含む上司には「まったく報告していない。一刻も早くこの雑事を片付けたかった」と証言。証明書は6月1日ごろに自分で作成し、その直後に厚労省の隣の建物の喫茶店で、自称障害者団体「凛(りん)の会」発起人河野克史被告(69)に渡したと述べた。
 検察側は、元部長が石井一参院議員の口利きを受け、村木被告に便宜を図るよう指示、村木被告が上村被告に証明書作成を指示し、団体元代表倉沢邦夫被告(74)に自ら手渡したと指摘している。
 上村被告は、石井議員の口利きを受けた「議員案件」との検察側主張も否定した。 上村被告は捜査段階で、村木被告からの指示を認める供述をしていた。(2010年2月24日配信、肩書き・名称、年齢はいずれも当時)

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