人工中絶は合法 禁止は「女性の人権侵害」―メキシコ最高裁
【サンパウロ時事】メキシコ最高裁は6日、国内で行う人工妊娠中絶を合法とする司法判断を示した。これまで一部の州では合法だったが、今後は国全体で中絶の権利が認められる。
米13州で中絶「違法」に―最高裁判決1年 民主、大統領選で争点化
メキシコは国民の大部分が保守的なカトリック信徒だが、近年は全ての州で同性婚が認められるなど、リベラル寄りの改革が進んでいる。隣の米国では昨年、中絶を「憲法上の権利」と認めていた判例が連邦最高裁で半世紀ぶりに覆っていた。
メキシコ最高裁判決は「刑法によって中絶を処罰する司法制度は憲法に違反する」と指摘。禁止は「女性や妊娠する能力がある人々の人権を侵害する」と主張した。最高裁は2021年、中絶を罰する北部コアウイラ州の法律を違憲とする判決を言い渡したが、適用は同州に限定されていた。