上海市、7月から法定最低賃金と社会保険納付基準額を引き上げ

(中国)

上海発

2023年07月03日

中国の上海市人力資源・社会保障局は6月30日、同市の法定最低賃金を7月1日から引き上げると発表した。全日制就業労働者(正社員)の月給はこれまでの2,590元(約5万1,800円、1元=約20円)から100元増の2,690元に、非全日制就業労働者(パート、注)の最低時給基準は23元から1元増の24元となる。なお、社会保険(養老保険、医療保険、失業保険、労災保険)と住宅積立金の個人負担分は法定最低賃金に含まれないほか、交通費や食費、残業手当、夏季の高温手当、深夜作業・危険作業の特別手当、住居手当なども、企業側は別途支払う必要がある。2022年は新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響を考慮して据え置きしており、今回は2年ぶりの調整となる(2022年7月7日記事参照)。

法定最低賃金制度は全国の31の省・自治区・直轄市で実施されているが、域内の経済発展水準によって1~4段階の基準で設定されている。人力資源・社会保障部の発表(2023年4月1日時点)を基に月給を比較すると、上海市の最低賃金が最も高く、遼寧省の第4ランク(1,420元)が一番低い。

また、上海市人力資源・社会保障局は6月28日、2023年度(2023年7月1日~2024年6月30日)の社会保険納付基準額を公表した。給与月額における納付基準の下限額は前年度(6,520元)比12.1%増の7,310元、上限額は前年度(3万4,188元)比6.9%増の3万6,549元に引き上げた。個人の納付基準額は、本人の前年度給与実収入の月平均額となるが、下限額を下回った場合は下限額、上限額を超えた場合は上限額がそれぞれの納付基準となる。企業側の納付基準額は個人の納付基準額の合計だ。社会保険負担額は納付基準額にそれぞれ個人側と企業側の保険料率を掛けて算出される(添付資料表参照)。

(注)1つの会社で1日当たりの勤務時間は4時間以内、かつ1週間の勤務時間が累計24時間以内の労働者を指す。

(劉元森)

(中国)

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