タイ政府、日本にCPTPP参加への協力を要請

(タイ、日本)

バンコク発

2018年05月07日

茂木敏充経済再生担当相は5月1日、タイ首相府でソムキット・チャトゥシーピタック副首相(経済担当)と会談し、日タイの経済協力について意見交換した。

同会談にてソムキット副首相は、茂木経済再生担当相に対し、タイ政府が「包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP、いわゆるTPP11)」早期加盟に向け準備をしていることを伝えた。また、今後タイが他のCPTPP加盟国と協議するに当たって、日本からのサポートにも期待を表明した。

CPTPPは、全11加盟国の過半数(6カ国)で批准した後、60日経った時点で発効される予定だ。現在、メキシコが加盟国中で初めてCPTPPを批准し、国内手続きを完了させている(2018年5月時点)。他加盟国も批准準備を進めているが、CPTPP発効は早くとも2019年初旬になる見込みだ。

茂木経済再生担当相とソムキット副首相の会談後、タイ首相府は「自由貿易の原則の下、プラユット・チャンオチャー首相はCPTPPに参加する意向だ」と、あらためてCPTPP加盟への強い意志を表明した。

他方、タイ商務省はCPTPP加盟による国内経済への影響を調査中だが、その結果はまだ公表されていない。特にタイ経済界は、遺伝子組み換え作物などのバイオテクノロジーやデジタル分野で、CPTPP加盟により国内市場・産業へ規制緩和圧力がかかることを懸念している。

(阿部桂三)

(タイ、日本)

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