大型クラゲ情報
国立研究開発法人水産研究・教育機構
1.大型クラゲの出現情報
(1) 東シナ海における調査船による目視調査結果※1
1) 実施期間 令和4年6月20日~27日結果 東シナ海西部の17地点での出現量(平均密度)0.041個体/100m2
(2) 対馬海峡東水道における国内フェリー(博多-対馬航路)による目視調査結果※1
1) 実施期間 令和4年6月21日~22日結果 対馬海峡東水道では目撃されなかった。
結果 対馬海峡東水道では目撃されなかった
結果 対馬海峡東水道で67個体(傘径10~70cm)を目撃した。東水道における出現量(平均密度)0.00170個体/100m2。
(3) 隠岐海峡における国内フェリー(七類-西郷航路)による目視調査結果※1
1) 実施期間 令和4年7月17日結果 隠岐海峡で1個体(傘径30cm)を目撃した。隠岐海峡における出現量(平均密度)0.00007個体/100m2
(4) 日本沿岸水域における出現の確認※2
- 令和4年7月12日に長崎県対馬市厳原町豆酘定置網で出現を確認した(10個体、傘径60cm):対馬の定置網で今年初めての出現。
平成21年 6月30日 | 日本沿岸水域で大型クラゲが大量出現した年 |
平成22年 9月17日 | 日本沿岸水域で大型クラゲの大量出現がなかった年 |
平成23年 9月29日 | |
平成24年 7月24日 | |
平成25年 7月26日 | |
平成26年 8月 6日 | |
平成27年 9月15日 | |
平成28年 6月28日 | |
平成29年 7月 5日 | |
平成30年 6月12日 | |
令和元年 6月13日 | |
令和2年 6月16日 | |
令和3年 6月15日 |
2.今後の調査計画等
現在、新型コロナウイルス感染予防対策の一環で東シナ海・黄海及び対馬海峡における国際フェリーが運行されておらず、目視調査が実施できないため、当該海域の分布情報が例年と比べ大きく不足しています。東シナ海の6月の調査船調査では、出現量は昨年よりも増加しました。対馬海峡の東水道(博多~対馬間)の目視調査では、6月下旬、7月上旬には大型クラゲが確認されず、出現が例年より遅めの傾向が見られましたが、7月下旬の調査では大量のクラゲが対馬東岸で確認されました。但し、対馬東岸のクラゲの多くは東水道から流入したものではなく、西水道から対馬北部を経由して回り込んで来たものだと考えられます。隠岐海峡では、7月中旬に初確認されましたが、少量に留まっています。一方、韓国沿岸の出現状況は、近年では少なめの傾向で推移していましたが、7月中旬以降急激に増加しつつあります。以上のことから、今年の東シナ海における大型クラゲの発生量は昨年よりも多めで、日本周辺海域への出現は遅めで推移しているが対馬周辺を中心に増加しつつあると考えられます。
今後は、昨年と同様に対馬海峡西水道を中心に相当量の大型クラゲが日本海に流入し、主に沖合域を北上すると考えられますが、流況の変化により山陰沿岸に接近する可能性があり、今後の推移に注意が必要です。対馬周辺での目撃情報を基に日本海における移動予測計算を行った結果では、大型クラゲの多くは山陰・能登半島の沖合を北上し、先端は9月下旬に津軽海峡に達することが予測されています。能登半島には、9月上旬に少量が達する可能性があります。
今後、引き続き日本周辺海域における大型クラゲの出現状況をモニタリング※3し、出現状況に関する情報提供※4を行ってまいります。
令和4年7月下旬~8月上旬 | 東シナ海大型クラゲ分布調査 |
(国内フェリーによる目視調査)
令和4年8月 上旬 | 博多−対馬間の国内フェリーによる目視調査 |
令和4年8月 上旬 | 隠岐海峡の国内フェリーによる目視調査 |
令和4年8月 中旬 | 博多−対馬間の国内フェリーによる目視調査 |
令和4年8月 中旬 | 隠岐海峡の国内フェリーによる目視調査 |
令和4年8月 下旬 | 博多−対馬間の国内フェリーによる目視調査 |
令和4年8月 下旬 | 隠岐海峡の国内フェリーによる目視調査 |
国立研究開発法人 水産研究・教育機構 URL:http://www.fra.affrc.go.jp/kurage/
大型クラゲ関連情報 URL:http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/Kurage/kurage_top.html
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