乙武洋匡氏「車いす芸人」ホーキング青山さんの急死に「なに勝手に死んでんだよ」 愛ある毒舌で追悼
作家の乙武洋匡氏が17日、自身のnoteを更新。昨年12月に死去したお笑いタレント・ホーキング青山さんを悼んだ。
乙武氏はnoteで、今年に入って訃報が相次いでいることに触れ、「私にとって最も大きな衝撃を与えたのは、車椅子に乗ったお笑い芸人・ホーキング青山の死だった」と、今月9日に発表された青山さんの死について触れた。
生まれつき四肢欠損で車いす生活の乙武氏にとって、先天性多発性関節拘縮症のため生まれつき両手両足が不自由で、自ら「車いす芸人」と名乗った青山さんは極めて近い境遇だった存在。25年以上前に初めて青山さんのコラムを読んだ際の思い出を「あまりに痛快で、読み終えたときには思わず快哉を叫んでいた」「まだ『五体不満足』を出す前の乙武青年は、ハンマーで頭を投げられたような衝撃を受けるとともに、どこか感動を覚えたりもしていたのだ」と振り返った。
「障害者の性」について赤裸々に語った青山さんを「ある意味、私と彼とは表裏一体だったと思っている」と評した乙武氏。「本当の意味での“障害者のリアル”を知ろうと思うなら、ダイバーシティな社会の実現を真正面から訴える乙武洋匡と、自身では処理しきれない性欲も含めて、すべて赤裸々に語るホーキング青山の存在は、どちらも欠かせないピースだと思うのだ」とつづった。
その上で「障害者の性欲という、社会が見て見ぬふりしてきた課題をグロテスクに提示してみせた怪演も含め、彼がこれまで果たしてきた役割は決して小さなものではないはずだ」と青山さんの功績をたたえ、「だから言いたい。なに死んでんだよ。まだまだアンタの役割は残ってただろ。まだまだやり残したことがあるだろう。なに勝手に死んでんだよ。ぜんぶ俺にやらせる気かよ」と、愛のある毒舌でその死を悼んだ。