【北の富士コラム】正代は何度、同じ負け方をすれば気が済むのか…もう言うだけ無駄である
2022年5月11日 05時00分
◇10日 大相撲夏場所3日目(両国国技館)
昨日は熱戦さえあれば、上位の敗戦もあまり気にならないと書いたが、それにも限度というものがある。いくら何でも3大関全滅はないだろう。
負け方もいけません。3日目はNHKラジオの解説だったが、正代と大栄翔はアナウンサーに予想を聞かれた際に迷わず、おそらく正代の右を差しに出るところを、のど輪で一気に押されるだろうと言った覚えがあるが、寸分たがわずその通りの相撲となってしまった。
自分の予想が当たると少しは「どんなもんだい」と胸を張るところだが、あきれ果てて、そんな気持ちにはとてもなれない。何度、同じ負け方をすれば気が済むのかと理解に苦しんでしまう。もう言うだけ無駄である。どうぞ好きにやってもらった方が良い。期待をした方がバカを見るだけである。
御嶽海は際どい相撲で敗れた。前に出ての結果だから少しは救いはあるが、昨日今日入幕したばかりの若手にかき回され、翻弄(ほんろう)された相撲は、横綱候補にはほど遠いものであった。単に下位力士に弱いだけでなく、本当にそれほど強くないのかもしれない。大関昇進の時は新しいトレーニング法に出合ったと自信たっぷりに語っていたが、どうやら成果がまだ出ていないようだ。それより地道に稽古を続けることが大事だと思うのだが。少しは聞く耳を持ってもらいたい。
貴景勝もどこかおかしい。当たりも弱いし、体も軽く、残す力がない。負けても以前のように悔しさが顔に出ない。早く言えば、やる気がない。そして私は文句を言う気にもなれない。
3人の大関でまだ2勝。まだ12日間も相撲が続く。いったいどうなってしまうのだろうか。考えるだけで空恐ろしい。満身創痍(そうい)の照ノ富士に頼るしかないとは、協会もさぞ、頭が痛いことであろう。
これで今場所は、若手の若隆景や琴ノ若、豊昇龍、大栄翔、そしてベテランの玉鷲に頑張ってもらうしか手は残っていません。明日から私は3大関の批評は止めます。血圧が上がります。皆さんも3大関は休場中と思った方が良いと思います。その代わりに若手の力士達が良い相撲を見せてくれるでしょう。
3日目の朝も、いくらと松前漬け、にしんの切り込み、しじみのみそ汁を食べました。さすがに夜は止めておきます。豚のショウガ焼きとナスのおひたし、それに納豆、ビールの小瓶一本。万全のメニューである。それではまた明日。(元横綱)
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