加賀温泉郷発信へ意欲　映画「レディー・カガ」始動

2022年4月19日 05時05分 (4月19日 12時58分更新)

映画の制作を発表する宮元陸市長（右）や雑賀俊朗監督（右から２人目）、主演の小芝風花さん（中）ら＝加賀市山代温泉で

主演は小芝風花さん撮影前に制作発表会

　加賀温泉郷を舞台にした劇場公開映画「Ｌａｄｙ　Ｋａｇａ（レディー・カガ）」の制作発表会が十八日、加賀市山代温泉の瑠璃光であった。温泉街の女将（おかみ）たちが和服タップダンスで新型コロナ禍に立ち向かう物語。二〇二三年の公開を目指す。関係者は「映画を通して加賀温泉郷の名を世界に発信したい」と意気込んだ。　（小室亜希子）

　レディー・カガは同温泉郷で一一年に発足した実在のＰＲチーム。世界的な人気を誇る米歌手レディー・ガガをもじり、温泉郷で働く女性たちで活動。加賀温泉駅のホームに並び、来訪者を笑顔で迎えるＰＲ動画が大きな話題を呼んだ。これに雑賀（さいが）俊朗監督が着目し、企画を温めてきた。

　映画は、温泉街を再生しようと女将たちがタップダンスイベントの開催に立ち上がるが、予期せぬトラブルが次々と発生。必死で乗り越え、イベントを成功させるストーリー。山中、山代、片山津の三温泉を中心に、五月下旬から約一カ月間撮影に取り組む。

　志賀町が舞台の「リトル・マエストラ」などの代表作がある雑賀監督は「レディー・カガのＰＲ動画を初めて見た時、笑顔で踊っている姿が思い浮かんだ」と明かし「日本の全ての皆さんが元気になり、もう少し頑張ろうと思ってもらえる映画にしたい」と決意。主演の小芝風花さんは「作品を通して石川県を盛り上げたい」と抱負を語った。

　宮元陸市長は「北陸新幹線を迎える中、もう一度、加賀温泉郷を世界に発信できるよう、大ヒットしてほしい」と大きく期待。レディー・カガの仕掛け人である瑠璃光の萬谷（よろづや）浩幸社長は「こんなこと（映画化）があるんだな」と驚きつつ「地元が一丸となって応援したい」と約束した。

馳浩知事（左）からぬいぐるみをプレゼントされ、笑顔の小芝風花さん＝県庁で

小芝さんの演技力に期待　雑賀監督ら知事を訪問

　雑賀俊朗監督や主演の小芝風花さんら関係者は十八日、県庁を訪れ、馳浩知事と懇談した。馳知事は新幹線開業に合わせ、映画の巨大ポスターを作製し、加賀温泉駅に掲示するプランも提案した。

　雑賀監督から「作品を海外の映画祭にも持って行きたい」と聞き、県の魅力発信に知事も歓迎。撮影は一部、金沢城公園内でも計画しており、知事は「楽しみ」と心待ちにした。

　知事から小芝さんを主演に起用した理由を問われ、雑賀監督が「フィギュアスケート経験者で表現力も豊かで、コメディーの演技力もある」ときっぱり。その小芝さんは撮影がある三週間ほど県内に滞在する予定で、「石川の食や温泉が楽しみ」と話した。十六日に誕生日を迎え、知事は観光ＰＲのマスコットキャラクター「ひゃくまんさん」のぬいぐるみをプレゼントした。　（田嶋豊）

＜ユースクが調べます！＞　北陸中日新聞「Your Scoop（ユースク）～みんなの取材班」は、無料通信アプリLINE（ライン）でつながった皆さんからの暮らしの疑問や困りごとを記者がとことん掘り下げ、疑問の解消や社会・地域課題の解決を目指します。事件事故などの情報や写真・映像の提供、不正の告発も受け付けています。秘密は厳守します。LINEで友だち登録し、ご投稿ください。