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物議醸したセンバツ選考、そもそも問題なのは各地区間の『格差』適正な配分を期待したい【記者の目】

2022年1月30日 06時00分

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日本高野連の地区別加盟校数

日本高野連の地区別加盟校数

 高校野球で今春のセンバツ大会に出場する32校が28日に発表されたが、東海地区の選考が物議を醸している。昨秋の東海大会準優勝だった聖隷クリストファーではなく、同大会の準決勝で敗れた大垣日大を選出。日本高野連の真意や姿勢を問うなどさまざまな意見が出ているが、そもそも地区ごとの配分数に問題があると思う。
 現在は、記念大会を除けば32校の出場が定着。28校を一般選考枠として各地区に配分し、1校が神宮大会枠、3校が21世紀枠となっている。このうち、最近は一般選考枠の数がほぼ固定されている。
 センバツ大会は、終戦直後に招待大会の性質を含んだことで復活にこぎつけた経緯がある。近畿地方の出場校が多いのはこのためだ。それでも、=表=を見れば他地区に一考の余地があることは明らかだ。
 日本高野連が発表した昨年5月現在のデータによると、加盟する3890校を一般選考枠の28に分配すれば、約139校に1校の割合が適正な枠となる。現在は関東・東京や東海が抑えられ、中国・四国が恵まれている印象だ。
 近年の成績を見ても、東海や関東は高勝率を残しているが、中国は低迷が顕著で、四国もかつての面影はない。東海と中国・四国がほとんど同じ参加校数であることを考えると、東海が2枠で中国・四国が5枠となっている理由が分からない。
 例年、センバツ大会の出場枠は前年秋の地区大会前に決められている。地区大会で各地区のレベルを確認した上で枠を振り分けたら、少しは実勢に近づくのではないだろうか。
 ちなみに、21世紀枠では東北地方が地区別で最多の14度、県別では島根が最多タイの4度も選ばれている。一方、東海と北信越は地区別で最少タイの4度しか選ばれていない。選挙における「1票の格差」ではないが、適正な配分を期待したい。(堤誠人)

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